田中のくせに!!
「ここ?家」
「あ、はい」
ランチが終わってから、映画なんて見たりして
帰りは三浦さんが、アパートの前まで送ってくれた。
「ふーん…ここに家族で住んでるの?」
「あ…いえ、今、両親ちょっと旅行に行ってて。
田な…友達とルームシェアしてるんです」
危ない、あやうく田中って言いそうになっちゃった。
まぁ、言ったところで、三浦さんは誰か分からないんだけど…。
「…へぇ、そうなんだ」
アパートをじっと見つめる三浦さん。
「…あの…?」
「あぁ、ううん、なんでもない。
じゃぁ…また連絡するね」
そして三浦さんは、フッとあたしの耳元に顔を近づけると
「…また、デートしようね」
それだけ言って、去って行った…。