田中のくせに!!
あたしの大好きなココアをいれようとして…
ココアがない!
そっか、昨日使い切っちゃったんだ。
と悲しくなるあたし。
対して、ストック完璧な、田中のお気に入りの紅茶。
…これを使わせてもらうか…
あたしは渋々、田中がいつも飲んでいる紅茶をいれた。
「すみません、お待たせしましたー」
ソファに座っている三浦さんの前に、紅茶が入ったマグカップを置き、あたしも隣に座る。
「ありがとう」
三浦さんが少し口角をあげて、微笑んだ。
「いえ…」
…あれ?
今ちょっと、三浦さんが距離を詰めたような気がするのは…
気のせい?
と、両手に持っていた、マグカップを奪い取られて。
「…え?」
何も考える間もなく、あたしはソファに沈められていた。