田中のくせに!!






ガチャンッ



三浦さんが乱暴に、外に出て行く音がした。




それを聞いて、ヘナッ…と、思わず座り込んでしまう。






「…ありがと…田中。助かった……」




「…おまえ……」




田中が険しい顔のまま、あたしを見下ろす。




「何やってんだよ……」



「…ごめん。家入りたいって言われたから、お茶でも…って」



「バカかよ…」





はぁああーっ、と今まで聞いたことにないくらい、長いため息を吐き出す田中。





「…ほんと、バカだよね…
警察、呼んだの?」



「…いや?ハッタリ。
そんな余裕なかったし…」




田中があたしの傍に来て、しゃがみこむ。




「…大丈夫かよ…なんかされた?」




「…ううん…なんかされる前に、田中来てくれたから…平気」




「…そっか」





じっと心配そうに、あたしの顔を覗き込んでいる田中。






……あたし



本当に何やってんだろ。



田中にこんな心配させて。




結局…







「遊ばれてた、って感じ?」






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