田中のくせに!!





学校に行くと、既に大型バスが到着していて



校庭は大勢の生徒たちで賑わっていた。




「みんなテンション高いなー!」



「修学旅行だからな」



「そういう田中はすごいいつも通りだよね」



「俺は常に冷静な男なんだよ」



「そースかー」




なんて田中と話しながら歩いていると、




「まどかオハヨー!!」



小夏と友梨が駆け寄ってきた。




「もうっ遅かったじゃん。待ってたんだよ?」



「ごめん、家出る準備にちょっと時間かかって」



「ふーん?

…っていうか」




小夏があたしの隣を見て、ニヤリと笑う。




「田中と一緒に来たんだ?」



「…なんだよ」




友梨と小夏のニヤニヤ攻撃に、顔をしかめる田中。




「別に?」



「あっそ。

…あ、岩槻~」




田中は岩槻くんを見つけると、ボストンバッグを担ぎなおして行ってしまった。




「逃げたな、アイツ」



友梨が楽しそうに笑う。




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