田中のくせに!!
「……沖野さんは大切な、仲間なんだよ」
岩槻くんの言葉は、なんだかまるで、自分に言い聞かせているみたい。
「大切だから…
こんな気持ちで、向き合うわけにはいかないんだ」
…ドサッ……!!!
何かを落としたような音に、振り向くと
「莉恩ちゃん…!」
…いつからそこに、いたんだろう。
「…沖野さん…」
気まずそうな岩槻くんの声に
「あ…あの…!」
莉恩ちゃんは慌てて、落としてしまったカバンを持つと
「…お疲れ様でした…!!」
風のような早さで、あたし達の前を通り過ぎていった。