田中のくせに!!
「…追いかけなくていいの?」
それまで黙っていた田中が、ボソッと岩槻くんに聞く。
「…追いかけていっても、…できることないから」
「…ふーん」
…岩槻くんの気持ちも、わかるよ。
わかるけど。
…あたしはやっぱり、納得いかない!!
「あのさぁ岩槻くん…んっ、」
「お前はもうなんも言うな」
突然後ろから伸びてきた田中の手に、口を思い切り抑えられた。
「ん、んーっ!!!」
あたしの必死の抵抗にも、田中は全く気にすることなく
「じゃ、俺ら帰るわ。また明日学校で」
「…おう」
サラッと岩槻くんに別れを告げると、あたしの右腕をつかんでズンズン歩き出した。