田中のくせに!!
そんなんじゃない。





「…おはよ」



「……おはよ…」





翌朝、目覚めると



いつも通り、準備を完璧に済ませ紅茶を飲んでいる田中がいた。





「……」





昨日あんな事があった手前、何事もなかったかのようにする、なんて無理な話で。





あまりの気まずさに、あたしは無言でキッチンに逃げる。




でも




……なんだかすごい、田中がコッチを見てるような…






「…周防」




「………うん」





ついに話しかけられてしまった。






「…な、なに…?」





ドキドキしながら次の言葉を待つ。






「…昨日のことだけど」






ドキッ








「心配してくれてんだろ?」




「……え?」






思わず顔をあげると、少しだけ微笑んだ田中と目があった。








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