田中のくせに!!
「た!たたた田中」
ヌッと突如目の前に現れた田中に、盛大にどもってしまった。
田中はそんなあたしに少し眉をひそめると
「…帰るけど。まだ?」
「え…あたしと!?」
「は?他に誰がいるわけ?」
か…
勘違いじゃなかったー!!!
「うん!帰…」
元気よく立ち上がったその時、気付いたのはものすご~くニヤついている二人…
「…ふーん、今日まどかさんと田中さんは一緒に帰るんですかぁ♪」
友梨の口調がおかしい。
「う…うん」
「へ~、二人で早く帰って一体何をするのかしらね?小夏さん」
「や~、愛の巣ってやつですか?友梨さん」
!!
「…は?」
田中の眉間に皺が寄る。
あたし…
まだ田中に、二人に同居のことバラしたって言ってなかった!
「ま、まぁ詳しい話はまた今度~!じゃ、また明日!」
不審がる田中の背中を押して、慌てて教室を出た。