田中のくせに!!
「…だからノックしろって」
シャーペンを持ったまま振り向いた田中は、目の下なんか真っ黒で、頬もこけてて。
なんだかやつれていた。
…たぶんあたしも今、同じような顔してるんだろうな。
「一緒に勉強しよ!」
「は?なんで?」
「二人でした方がはかどりそうじゃん!
一人で勉強してると寝ちゃうんだもん、あたし」
「やだ。俺は一人の方がいい」
そう言ってクルリと机に向き直る田中。
このー…
「夜食つくってあげるから!」
田中の腕を引っ張って、強引に机から引き剥がす。
「夜食って、お前料理できねーじゃん」
渋々立ち上がった田中が、疑いの視線であたしを見た。
「できるよ!おにぎり!!」
「あー…」
ため息をつく田中。