好きって気づけよ。




栗原くんの意味深な言い方に、凪くんが「……は?」と不可解な声をもらした。


そのあと栗原くんの全身と、私の髪が濡れていることに気づいて、不思議そうな表情を見せる。




「凪くん。あのね、栗原くんは私のこと、助けてくれたんだよ」


「はっ……?」




意味がわからない、といいたげな視線を向けられる。



栗原くんは凪くんのそのようすにおかしそうに笑って、私たちに背を向けた。


だけど「あ」となにかを思い出したようで、私を振り返る。




「心愛ちゃん。今回は、そこの王子さまより俺のがヒーローだったでしょ?」




にっこりと笑顔をみせてそう言うと、栗原くんは体育館裏をあとにした。



そのあと私は、いつの間にか仲良くなっていたらしい凪くんと舞香ちゃんに、

さっき起こったことについて、気が済むまで質問攻めされてしまった。




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