好きって気づけよ。




待たせてるから、急がなくちゃ……。

優しいふたりが、気晴らしにって提案してくれたんだもん。




「ごめんなさい。私、もう行かなくちゃいけなくて……」


「そっ、か……。わざわざ時間つくってくれて、ありがとう」




少しショックをうけたように笑った男の子に、もう1度頭を下げる。



べつの日にさそってくれたら、私も男の子につき合えるんだけどなぁ。

どこに行きたかったんだろう?



そう思いながらも、私はかばんを肩にかけ、教室をあとにした。



ひとりで靴箱に向かっていると、

どうしてか、最近あまりかかわっていない凪くんのことを、無意識に考えてしまう。



 
< 209 / 356 >

この作品をシェア

pagetop