好きって気づけよ。




私を静かに見下ろす凪くんは、冷たい声で言った。




「お前のお望みどおり……幼なじみ終わらせてやるよ」




冷たく突き放して。

凪くんは私をおいて、ひとりで階段をのぼっていった。



その瞬間、さらに涙があふれだす。


頬をつたってこぼれて、ぽたぽたとスカートにいくつも染みをつくっていった。




「ふええ~……っ」




――凪くんに、嫌われちゃった。



こんなこと、誰も望んでないよ。

私が本当に強く願っていたのは、幼なじみの終わりじゃないよ。



だけど、私は器用じゃないから……こうするしか道はなかったのかもしれない。



 
< 229 / 356 >

この作品をシェア

pagetop