ひとつ屋根の狼さん。
「はあい……」
「いい?
こんなチャンス二度とないのよ!
あーあたしもそっちに残ればよかった、こうなると知ってたらー!!」
「な、はるか、おかしいよそんなの!
どうしちゃったのみんなー
わたし、もうだめだよ、帰りたいよ……」
知らない人と、それも男の子と、ふたりきりで1ヶ月生活するなんて、胃が……!!
「そうか、おねーちゃんはツカサくん見たことないんだもんねー?
あたしは写真で見たけどさ……
おねーちゃん、腰抜かすかもね?
うぶだし!
おとこなれしてないし」
「う、うぶじゃないもん……」
「はいはーい。
とにかく、いい?
忘れないでおねーちゃん、これは奇跡よ、このチャンスをものにするのよ。
おねーちゃんにすばらしー下宿生活をプレゼントしよーっていうママの気持ちと努力を汲んで!」
あーうらやましい
と最後につけくわえたあと、
「じゃあね!」
と唐突に電話は切れた。