※誘惑危険地帯※

キャンプ>>8


私がとっさに聞くと宏貴くんは真っ赤になった。

「お前って結構、いやものすごく鈍いな」

「へ?」

「へ?じゃねぇわ」

「え、だってっ・・・」

すると宏貴くんは呆れながらも私の顔を真剣に見つめてきた。

「いいか?よく聞けよ?!
一回しか言わねぇから」

「は、はいっ」

真っ直ぐで真剣な瞳を私にぶつけてきた。

ごくり・・・。

「おれが中学から好きな奴は・・・」

奴は・・・。
緊張とともに宏貴くんの顔が近づいてきた。

え、あつ。

「お前だよ・・・」

お前って誰だ?

・・・って、私だ!!!

宏貴くんが私のことを好き?!
いやいや、ありえないから。

「友達としてでしょ・・・?」
わ、私何言ってんだろう。

「は?」

「宏貴くんは友達としてあたしを好きなだけでしょ?」

自分で言っていることがよく分かんない。

「俺はお前をひとりの女として好きだ」

宏貴くんの初めて見る真剣な瞳。

「え、わ、わ、私は・・・」

言葉が出てこない・・・。
私は今までもこれからも友達という関係を壊したくない。
宏貴くんなんて尚更そうだ。
宏貴くんは中学の時からとても仲が良くて高校に入ってからも連絡を取り合っていたくらい仲が良かった。

「こ、宏貴くん。わ、私・・・」

宏貴くんの真剣な瞳に答えることなんてできないよ。

でも・・・。

関係を壊すのも嫌だ。

誠に酷いことされて助けてくれたのは宏貴くん。

いつだって宏貴くんは私に優しかった。

いつだって味方をしてくれた。

「梨々香・・・」

甘い声が誠と重なる。

「私は・・・」
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