嘘でも友達を元気にしてあげられるんなら…
嘘はついちゃいけないよね?
でも,嘘で友達を元気にしてあげられるんなら…
いいよね?

私は悠歩。元バスケ部のキャプテン。
今は,マネージャーをしてる。

バスケットボールを見ると思い出す。
また,あの時みたいに楽しくバスケしたいなぁって…

私がバスケを出来なくなったのはあの日があったからだ

あの日の朝。ねぼうして急いで学校に向かった…信号が点滅してるのにも気づかず…私は飛び出した。車と正面衝突…



意識不明の重体。だから今生きてることは奇跡に近い。



ある日,私は目を覚ました。
私が目を覚ました。と聞くと,部員や家族・友達が見舞いに来てくれた。


皆が言ってくれた「悠歩,また,バスケしようね」って「うん。そうだね。」
そう,この時はまだ,バスケを出来ると思っていたから…


2・3日して先生に身体を見てもらった。「身体自体がだいぶ弱っていますね。それに,手の骨が折れていますね。手術しても完全に治ることは難しいですね。それに,長くても1年ですね。」
えっ?先生の言葉を聞いた瞬間私の目から涙か溢れ出した。

あと一年間…いやっ,長くて一年間…
だから,半年かもしれないって…
事だよね…

それから,私は先生にお願いをして,退院をした。

私がやりたい事はただ一つ

普通に学校に通って…
普通に友達と遊びに行って…

あと一つやりたいことがあった…

それは、もう一度バスケ部に戻りたかった…けど…病院の先生に止められた。

あの時あの日飛び出しなんて何でしちゃったんだろう…

あの時飛び出して無かったら今バスケできてるのに…後悔だけが残る。


だから今,マネージャーとして頑張っている部員を応援してあげたいと思ってる

でも,楽しそうにやってるのをみるとやりたくなる。いいなぁ。

部活が終わってボールをかたずける時いつも左手一本で一つ決める。そうすることでスッキリする。

家に変えればYouTubeでバスケの動画を見てる。あーぁあの時こんなことできてたらなぁと思う。


今日でちょうどあの事実を聞かされてから半年。
あっ。じぶんまだ生きてる。と思うだけで自分が誇らしく思う。

親友の涼風ともたくさんの思い出作ったし…

今年、バスケ部は全中でいい結果出せたし…

もう,やりとげなければいけないことは全てやりつくした。

そんな時病院の先生に突然「1度だけならバスケをすることを許しましょう。」といわれた。あー夢?えーすごい!

「悠歩無理しないでよー」
「悠歩さんまだ私に勝てると思わないで下さいね。」
「悠歩先輩頑張ってください。」

皆から声をかけてもらった。

左手だけ,だけど私は全力をつくした。
バスケってこんなに楽しかったんだー。
改めて感じた。

「あー。楽しかった(^^)えっもう部活終わり?」
「そうだね。悠歩メッチャ楽しんでたじゃん!」
そりゃそうだよ。久しぶりに動き回ったし,点を決めることができたから…

あーぁ。もうバスケできないんだ。私。

…でも,やりたかったことぜーんぶやったし悔いないしOKかな♪

この日はすっごく嬉しくって後輩たちに頼んでビデオを撮ってもらっていた。

家に帰れば、ビデオを何回もみる。

「悠歩。それ何回目よ。」
「10回」
「もーぅ。いつまで見るつもりよ。」
「んー。眠くなるまでかなー」

・・・・

「悠歩今までで一番いい顔してるわよ」
「あったりまえジャーン。すっごくすっごく楽しかったもん。」
今日のことは一生忘れない思い出…

「ねー。お母さんちょっといい?」
「うん。いいけど。何よこんな時間に」
「あのさ,もう、うちの命は長くないじゃん。だから,最後にプロの選手の試合見に行きたい!」
「えっー。急に言われてもね…分かったわ。楽しみにしてなさい。お休み。」

おーぉ。何これ?奇跡?プロの選手の試合だよー。おーぉ。

当日…楽しみー^(^-^)どんなんだろう?
やっぱり動きとかパスとか早いよね?
あと,サインも貰いたいな♪

おーぉ。試合開始。
迫力満点

あっもう終わっちゃったんだ。
やっぱプロは違うな。後輩たちにも見せてあげたかったな。

ある日…急に倒れこんでしまって。
それから、私は目を覚ますことは無かった。








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