人形の妹と王子の兄

「無理するなっつったろ」


「…ごめんなさい…お兄さん…」

「わかったから、黙ってろ…」


静けさのある閑散とした細道を

邪魔するような声が聞こえた。


「よう隼人!」


歌の練習をしていた男の子たちと

鉢合わせをしてしまった。


お兄さんが、

平然とした顔をしたままだったことに

とっても驚いたの。


「隼人ー、何でブス原といんの?

おんぶなんてしてー?」


「もしかして隼人はブス専?」
< 29 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop