人形の妹と王子の兄

「あ、ありがとうっ!」


「…次は化粧品だったけか」

メイクブースに移動して、

ネットでランキングが一位と書いてあるシールが

貼られたブランドのところを見た。


「…可憐の好きな色はピンクだろ」

男の俺が女の物を選ぶのはどうかしてるけど、

うじうじする妹を放っては置けなかった。

それに好きな女が困ってるなら

助けるのは当たり前だろ?


まだ可憐にはネイルは難しそうだ、

ネイルシールを見つけて渡した。


「…隼人お兄さん…ごめんね…」


「アイス買いに来たついでだ」


大切な妹が喜んだりする顔を見るのは

兄として嬉しいことだが、

好きな女を意識していることを伝わる日まで俺は…。


横目で成人雑誌が見えて、


“妹を女に開発”


「…!?」


まさに俺の頭の中をえぐられている気分だった。
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