人形の妹と王子の兄

「お兄さん?」

上目使いして俺の顔を覗くようで、

可愛い妹がこういう。


「…お兄さん、やっぱり顔色が悪いよ」

「大丈夫だって…心配するな」


可憐が会計に並んでいるうちに、

さっきのエロ本を手に隠して

颯爽と会計を済ます。


「袋にお入れしますか」

「は?」

ここで袋に入れねえ馬鹿いねえだろ。

いちいち聞くなって、

馬鹿可憐じゃなかったら、

不信がられていろいろな意味で終わる。


自動ドアが開き二人深夜の外を歩くのは初めてだった。


鼻歌しながら俺の隣にいる妹を

愛しいって思うのは悪いことか?

普通に考えたら気持ち悪いだろうし、


けど、やめられねえんだよ…。

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