BLUE HEART



だが、あの頃の自分が目指した世界は…


今はもうない。



生きて帰ると誓い、戦った前線で沢山人を殺した。

それが、平和につながると信じていた。
自分に出来るのは戦うことだけだったから。


『おい、そうやって自分の世界に入り込むな』


隣りからキースが顔を出してきた。


『近いって言ってんだろ。あっち行けよ』


『最近、お前口が悪くなったよなぁ…』


『…お前が悪くしてるんだ。ったく、こんな所で油売ってんじゃねぇよテメェ』


俺が言ってやると、キースは似合わず苦笑した。


『…なぁ、ナディ。お前仕事の話聞くか?』



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