私の好きな人は好きな人がいました



私を抱く度呼ぶ名前…



“紅音”


そう呼ばれた時、私は笑っていう


「葵…」

って。


私は“紅音”じゃないよ、舞子だよ。

わかってた。


あの子と同じ髪型の私を選んだこと

同じくらいの身長の私を選んだこと

あのこと似てなかったら選ばれてなんかなかったこと…


それでも、嬉しかった


今、私を見てるって思える瞬間があったから

舞子って呼んでくれる時があったから


私はどんどん泥沼にハマっていった。


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