花とミツバチ



あのパーティの夜、薄暗いテラスでキスをした。

その時点でこの気持ちは、決まってるようなものなのに。





『け、けどまだ千葉くんと付き合うって決めたわけじゃないからね』





照れ隠しとは言え、なんであんな言い方しちゃうかな私…!





『告白の返事は気長に待ちます』





けど彼はその言葉にもそう笑ってくれて、また甘やかされる自分。



もう後ろ髪を引くものも、阻むものも何もない。真っ直ぐに彼と向き合える。

だけどたった一言、『私も好き』の言葉は言えないまま。





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