花とミツバチ
「土下座して謝るなんて…めちゃくちゃ格好悪い俺に、嫁さん泣きながら頷いてくれてさ。余計申し訳ない気持ちにもなったけど、一層好きだって思った。…今度こそ、彼女一人を大切にしようと思った」
「……」
「…まぁ、それが先月くらいの話でそこから盛り上がって二人目が出来たわけだけど」
「えっ!本当ですか!?」
「まだ安定期入ってないから周りには内緒な」
課長はそうふっと笑ってみせ、短くなった煙草を灰皿へと押し当てる。
「…ちゃんと嫁さんと向き合おうって思えたのも、藤田の別れ際の言葉のおかげ」
「先輩の?」
「終わりにする、って言った時に藤田が言ってたよ。『同じ位置でいろんなことを分け合えて、分け合いたい人がいる』って」
『隣で同じ位置で、いろんなことを共有して求めて与えて…分け合える人で、分け合いたい人』