花とミツバチ
『…私って、そんなに言い方きついですかね』
『んー?まぁ…どちらかといえば。もうちょい笑顔があればまた違うんだろうけどなぁ』
『愛想がないのは生まれつきです』
『まぁ、俺はそんな藤田の言い方も嫌いじゃないけど?』
『…?』
『これだけの人間がいるんだ。一人くらいきつく言う人間がいたって、それも個性だろ』
一人一人を認めて、優しく頭を撫でてくれる。
「この人は私を見てくれてるんだ、って…勝手に思っちゃったんだよ」
「……」
優しくするのは、私にだけじゃない。
わかってる
みんなに優しい人だし、私が出会った時には既に、その薬指には指輪が光っていたし