彼氏は11才!?
私はその時、覚えたての技を試したくてウズウズしていた。
そしてちょうど見付けた幻弥に絡む悪そうな先輩達。

私はここぞとばかりにミドルキックを繰り出し、キャラメルクラッチなど多数の技達をキメた。


ちなみにミドルキックとは脇腹などへの蹴りのことで、腹筋が弱い相手だと内臓へのダメージが期待出来る打撃技だ。

そしてもう一つのキャラメルクラッチとは、うつ伏せに倒した相手の背中に座り、顎に手をかけてグイと背中を反らしていく技。別名『らくだ固め』とも言う。

そして幻弥は、男をも平然と倒す私の強靭で華麗な技に感動した。


技をかけられたい、と。


コイツは別の方向に感動しやがったのだ。
断じて助けられた感動では無い。

そして土下座をして『何でもしますから俺に技をかけて下さい』と頼んできやがった。


その時、幻弥を無視していれば良かったものの、私はあまりの気持の悪い発言にイラッとし、力いっぱい踏み付けた。



それが運の尽きだった。



私のゴミを踏み潰すような容赦の無い踏み付けに幻弥は興奮してしまったのだ。

鼻血を垂れ流し、最高の笑顔を浮かべやがった幻弥に私は、しまった…!!と冷や汗をかいた。
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