モラトリアム
突然だが、報告する事がある。
玲奈が死んだ。
僕が日帰りの旅行で行った先で亡くなった。
死因は溺死。入浴中に足を滑らせ、転倒し、頭をぶつけた事が原因であると警察は見解して終わった。死亡推定時刻は夕方の17:00である。
まだ僕達がいた時間だ。
玲奈は何てツイていないんだ。少し前に事故で怪我をして、今回は旅行先で。
ツイてない?馬鹿な……そんなんじゃ納得出来ない。何かがおかしい、事故じゃ無い気がするのは俺だけか?
あいつが死んだ時もそうだった。突然過ぎる。礼奈も事故。
敬太は考えた……。
深く…深く考えて、一つの可能性に行き着く。
沙織さん?
敬太は考えた瞬間、笑った。
自分が考えて行き着いた先が、自分の彼女の犯行なんじゃないかという可能性の一つに。
ありえないだろ、でも…。
でも?でもって?俺は自分の彼女を殺人犯にでもしたてあげたいのか?
敬太の頭は回転し始める。
確かにない話ではない…。まずタイミングが良過ぎる。両方、俺と沙織さんがいる時に出会して、初対面だった。
2人とも同じ様な事故。礼奈は死ななくて、次に会った時に死亡。同じく俺と沙織さんが一緒にいる時。
それに玲奈が言ってた。
誰かに押されたって…。