約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
そんなにかっこよすぎることばかり言われたら、
泣いて涙を流し続けて、一番近くでその現実を受け止め続けるしかできないじゃない。
バカっ。
愛しさにも似た感情が、奥から湧き上がってくる。
体を震わせて涙を流す私を、総司は背中から優しく抱きしめてくれた。
「瑠花……瑠花には、いつも悲しい思いばかりさせていますね。
すいません」
そう呟いて少し沈黙した後、「ちなみに任務から帰ってきた山崎さんも僕と同じですよ」っと、
悪戯っ子が話すような仕草で教えてくれた。
「えっ、山崎さん帰ってきてるの?」
「えぇ、先ほど僕も会いましたよ」
「花桜が……花桜が喜ぶよ」
「えぇ。そうですね。
後は加賀さんが戻ってきてくれたら、
瑠花はもっと嬉しくなりますね」
この後も、すぐに新選組から何人もの隊士たちが脱走して、
御陵衛士へと走るものの、受け入れてもらえずに京都守護屋敷で自刃。
そして新選組の屯所が、西本願寺から不動村に移される。
武田観柳斎の斬殺。
徳川慶喜の臣、原市之進の暗殺。
明治天皇の即位。
終焉(やみ)へと続く始まりは刻々と時を刻み続けていた。