恋愛メンテナンス
clean 14 ピンチはチャンス?!
今夜は久しぶりにモモちゃんに、愚痴がてら報告の電話をする。

イヤミ言ったるわ!

聞こえるように言ったるわ!

永田さんが、真下に今居る事を承知で、モモちゃんに愚痴ってやる。

「…としこっち、声がやたら大きいよぉ」

「そりゃあ、もう声もでかくなるっつーの!」

私、頭にきてるんだから。

馬鹿にするのも大概にしてっての。

嫌がらせでしょ、絶対。

「雑用のシンデレラだとか勝手に名付けてさぁ、やっと外でのお仕事をやらして貰えると思ったら、公衆トイレって!公衆トイレって有り得なくない?!」

私は吠えた。

さすがに職場でそれを、永田副所長様に告げられた時は、逆らう事すらも出来ないくらいの目眩に襲われたけどさぁ。

「お仕事なんだから、それでお金貰うんだから、文句言わないのぉ~」

「やだやだ、絶対やだよ。そんな汚い所のお仕事なんてぇ~!臭いしキモチ悪いし…」

私はショックのあまり、今日は家に帰って来てから、ずっと無言だった。

公園のトイレだなんて。

もう、みなさんのご想像通り…。

グチャグチャだよね、きっと。

「やだぁーーっ!!泣くしぃー!!」

私は真下に居る永田さんに向かって、ワンワン吠えてやった。

「でも誰かと一緒に行くんでしょ?教えて貰いがてら、やって貰えばいいじゃん」

「それが、その…アイツと行くんだよねぇ。だから尚更、仕事の鬼だからそんなの無理…」

永田のアホ!

永田の鬼野郎!

絶対、一から全部やらされるに間違いない。

アイツはそういう奴だもん。

「永田さんと行くなら、いいじゃん♪心強いじゃん♪2人っきりになれるって事は、またまた距離が縮まるかもよ~ん☆」

あのさぁ、嬉しがる所じゃないから。

本当に嫌なんだから。

「飲み会はどうだったの?」

そう聞かれて、私は急に声を小さくして、トイレの中に駆け込んだ。

便器を下ろして座って、コソコソと報告をする。

「それが永田さんに、行きも帰りも送って貰って。寒いからってジャンパー貸してくれたり。何故か居酒屋の席も、隣りに座ってきて。お酌しようとしたら、俺がやる!って奪われたり。それかと思えば、ムスッと嫌な態度されて睨まれたり…」

「それでそれでぇ?」

「帰りの車の中でぇ~…」

「帰りの車の中でぇ?」

「説教たれてきやがったかと思いきやぁ…」

「思いきやぁ?…やだぁん!としこっち!もしかしてキスされたとか?!」

キス?!

私は声を聞かれないように、トイレの水を何度も何度も流しながら、話しを続ける。



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