恋愛メンテナンス
「メロメロって表現はぁ、ちょっとぉ反応に困るなぁ」

恥ずかしそうに、ドリンクを一気飲みして、可愛いんだからぁ。

「輝ぁ、抱っこ抱っこぉ」

とか言いつつ、自分から輝に抱き付いてみる。

「あぁ、抱っこ抱っこ。よしよし…としこ」

すぐに抱っこして、ついでにキスして。

カラオケボックスで、イチャイチャした。

輝は快く私を大きく深く、抱き締めてくれる。

「もぉ、アホだなぁ、おまえ…マジにアホォ…」

カラオケ、後半はキスばっかり。

気持ちがお互い高ぶり過ぎて、今夜も輝の部屋で泊まる。

だって、帰ろうとすると不機嫌になるもん。

よしよし、してやるの。

お布団の中では、私が輝をね☆(笑)

新しい年になって、輝が彼氏で居てくれて、少しずつ自分の気持ちにゆとりが出来て、余裕も出て来た。

今までは彼氏が居ても、気持ちはいつも独り。

独り身として自由に生活をしてきていた。

束縛されたり、結婚の2文字を聞けば、すぐに切り捨ててきた。

相手には、しっかりと私を好きで居てくれるだけの事。

自分の望むような通りで居させて貰う事。

それだけを求めていた。

もちろん、今もそう。

でも余裕だったはずの、今までなのに。

今はもっと、気持ちに余裕が有る。

輝のおかげ…かな。

2月になって、所長が切り出した。

「永田くん、美空さんの契約をアルバイトから、パートタイマーの長時間契約の雇用に切り替えてあげませんか?」

事務所で所長の前に座る、永田副所長は頭を上げた。

「……」

あれっ?

御意しないの?

「美空ちゃん、結構若い女の子のわりには、使えるからパートタイマーに早いとこしてやったら?」

「あんたがそう言って、最初に決めたんでしょ?」

黙る永田副所長に、事務員のオバチャンがヤジる。

「そうですけど…僕としては…」

何よ、それ。

私はオバチャンの隣りで、手を止めた。

な、なんで、私の事をあんたが決める訳?

いくら上司だからって、最初の契約内容と違ってくるじゃない。

試用期間は、とっくに切れてる。

入ったのは、11月だもん。

バレンタインが来たら、ちょうど3ヶ月だよ?

私、ずっとアルバイトで生活してけっての?

「それともまだ永田くんの判断では、無理ですか?」

所長は優しく聞いた。

「えぇ、無理ですね」

思わず、ムカついてるのにズッコケた。

生活費もう底について、貯金削って生活してるのに…。

「じゃあ、もう少しアルバイトで頑張ろうね」

所長は私をなだめるように、優しく言うけど。

何やら経済的、心身的にも、折られた悔しさで、腹が立った。

仕事は仕事だって、分かってる。

厳しく現実問題を突き付けられて…。

やってられない!ムカツク!!
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