ヒカリ
月の殻
月が 夜空で泣いていた

ひとりでいたいと 泣いていた

甘い果実を切り取って 

ひからびた殻を 身にまとい

黒い雨に ただ身を濡らしてた

あんな簡単に残酷になれるなら

優しくなる必要なんてないのに

あんな簡単に変われるなら

人間で居る必要なんてないのに

何も感じることが出来なくなって

何か感じれるようになった

コトバが聞こえなくなって

言葉を紡げるようになった

月は青空で泣いていた
太陽の影 
薄く白く 輝いていた

なにもないなら

なにかある必要なんてないのに

どうにもならないなら

どうにでもなっていいのに

月が 夜空で泣いていた

ひとりはいやだと 泣いていた

夜空で月は 輝いていた

すべては 美しく

月に彩られていた
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