赤い糸
出会い
俺は 高畑 蒼(たかはた そう)高校3年。
今日もかったるい授業が終わって、部活も引退した俺は暇つぶしに屋上へ行った。ほぼ毎日放課後は屋上にいる。まっすぐ家に帰っても暇だし、屋上の雰囲気が好きでいる。今日もいつも通り屋上の扉を開けた。あ、先客がいる。珍しい…。いつもこんなとこ誰も来ないのに。しかも女子だ。…ん?あいつフェンスの向こう側に立ってねぇか?おいおいおいおい!やべぇじゃん!
「おい!何やってんだ!アブねぇぞ!」
「何…って…死ぬとこ」
「いやいやいやいや、死ぬとこって。周りの迷惑考えろって。特に俺と、万が一飛び降りた後の第一発見者のことを!」
「なんであんたのことも?」
「目の前で飛び降りされたら胸くそ悪いだろう?」
「まぁトラウマだよね~」
「笑うとこじゃねぇし。とりあえずこっち来いよ」
「なんで?」
「お前がすぐさま飛び降りねぇように」
「ふ~んまぁいいけど」
ガシャン
「ところで…名前、なに?」
「聡子 柳田 聡子(やなぎだ さとこ)3-A」
「3-A!?頭いいじゃん!俺は高畑 蒼 3-C」
「3-C…あんたの喋り方もっとバカに見えるから3-Dかと思った」
「顔は良いくせに性格最悪だな、お前」
「なによ!髪まで染めちゃって!それでかっこつけてるつもり?」
「はぁ?これ地毛だから。俺クォーターなの。学校に申請済」
「あ、あっそ!」
「残念だったね~」
「うっさい!もう帰る!」
「じゃあ俺も帰るかぁ」
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop