私は異世界の魔法使い?!
なに……?
気味悪いなぁ。
「約束したよね? 勝負に勝ったら話を聞かせてくれるって」
「なぁ、お前は本当にミア様ではないのか?」
はぁ!?
この期に及んで、何でまた話が振り出しに戻るのよ。
ほんとカイトは海斗と一緒で頭足りないんだからっ!
「だーかーらー! 違うって言ってるでしょ」
カイトはじっと私を見つめながら、ほんの少し眉を寄せた。
何がそんなに彼を悩ませるのか……?
「ならば、どうしてお前はイフリートを呼び出せたのだ……?」
「どうしてって、カイトが言ったんじゃない。杖に問いかけて使い魔を呼べって。だから言われた通りにしただけで……呼び出したのも私じゃなくってこの杖よ」
片手でしっかりと握っていた杖を差し出した。
黒くて赤い石の付いた杖。
杖が私に問いかける時はこの石がほんのり光る。
けれど今は光りも影をひそめ、とても静かだ。