私は異世界の魔法使い?!


へんなの。


ぐるぐると思考回路に廻る考えは、今いる場所に似ている。

赤と黒、ペイズリー柄がクルクルと辺りを回っている。

目が回りそうになって、目を閉じた。

それでもくるくる、くるくる回る世界は私の目の前に広がっていた。


くるくる、くるくる……。


「……いっ」


ん……?


なんだろう。

どこからか何かが聞こえた。


「ーーお……め……さ……せ……」


まただ。

どこからか声が聞こえる。

でも、あれ?

でもこの声って、カイトの声じゃない?

閉じていた瞳を開け、再び視界は赤と黒のペイズリー柄の世界に入ってゆく。

そこに存在するはずのカイトがいない。

カイトは私のすぐ前を同じように漂っていたはずなのに。



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