私は異世界の魔法使い?!
可愛く微笑んであどけなさを見せつけるノア。
そんなノアの言葉が私の耳を右から左へと移動してゆく。
それもそのはずだ。
だってこんなでたらめな世界、ある訳がない。
目の前ではロバだかラバだか、いいやどちらも違うのかもしれない。
そんな動物が二足歩行をしながら、人間と楽しそうに会話している。
かと思えば、そこから二時の方角では竜だかタツノオトシゴだか……いいやこれもどちらとも違うのかもしれない。
とにかくそんな生物が空中を優雅に泳ぎながら片手に買い物かごを握り締めている。
そんな謎の生物と人間がたくさん溢れ返った青空マーケットが目の前には広がっていた。
「……なに、ここ」
「だから言ったじゃないか。ここはもうおねぇちゃんが存在してた世界とは別次元、ソーサリーだって」
なんか……説明されてるようで、されてない気がするのはなんだろう。