私は異世界の魔法使い?!
「俺はこの国のトップであるミア様に使える第一ソーサラーだ。お前と同じ物差しでこの俺を計るな」
「あーあーそーでした。ソーサラー様はお強いんでしたね、ころっと忘れていたわ。とんだご無礼仕りましたー!」
あーイライラするなぁ!
鼻息だって荒げてしまうわ!
女子力下がったらカイトのせいなんだからっ!!
隣を歩いていたカイトを追い抜き、先を歩き始める。
だってイライラした表情を見せたくなかったから。
多分カイトが空気を読める人間ならば私のイライラに気づいているかもしれないけど、それでも一応ここまで無事に助けてもらった恩もあるし、このイライラは八つ当たりに近いものだって事も気づいてるから。
だからそれを少しでも見せないように前を歩き始めた。
それなのに、カイトは突然私の手を握った。
「実亜、お前さっきの村で背中の治癒してこいって言ったはずだが」
背中の治癒。
さっき森で死神に切られた傷口。
カイトが治してくれたと思っていたけど、どうやら応急処置程度だったらしい。
それでも痛みは無いし、背中の傷なんて見えないし。
まぁいっかって思って破けた服だけ治してもらっていた。