私は異世界の魔法使い?!




「きゃあぁぁぁ!!」


再びミアの杖から閃光が放たれ、眩しくて目を閉じる。

それと同時に私の体に降り注ぐレーザーの様な星々。

それらは鋭い針となり、突き刺さる。

そのあまりの痛みに、体は仰け反り、のたうち回った。


「ァァァァァァァ……!!!!」


何を叫んでいるのか、何が言いたいのか。

自分でも分からない。


けれど声を出さずにはいられない。

暴れ回らずにはいられない。

自分は今、どんな姿をしているのかすら分からない。

ただ、上を向いても、下を向いても、あるのは闇の中に浮かぶ煌めく星達。

その中で一番大きく、他とは違う色を放つ月をバックに立ち尽くすのは、私と同じ顔を持つ少女。


「安心しなさい、殺しはしないから」

「むしろここまでしといて殺さないのはなんでなのさ?」


素朴な疑問。

純粋に質問を投げかける兎の少年。

ミアは私から視線を移動させず、身動きせず、その問いに答える。


「馬鹿ね。自分で自分を殺すなんて鬼畜でしょ? それに世の中にはね、死ぬ事より辛い事もあるのよ」



< 519 / 700 >

この作品をシェア

pagetop