私は異世界の魔法使い?!
「きゃあぁぁぁ!!」
再びミアの杖から閃光が放たれ、眩しくて目を閉じる。
それと同時に私の体に降り注ぐレーザーの様な星々。
それらは鋭い針となり、突き刺さる。
そのあまりの痛みに、体は仰け反り、のたうち回った。
「ァァァァァァァ……!!!!」
何を叫んでいるのか、何が言いたいのか。
自分でも分からない。
けれど声を出さずにはいられない。
暴れ回らずにはいられない。
自分は今、どんな姿をしているのかすら分からない。
ただ、上を向いても、下を向いても、あるのは闇の中に浮かぶ煌めく星達。
その中で一番大きく、他とは違う色を放つ月をバックに立ち尽くすのは、私と同じ顔を持つ少女。
「安心しなさい、殺しはしないから」
「むしろここまでしといて殺さないのはなんでなのさ?」
素朴な疑問。
純粋に質問を投げかける兎の少年。
ミアは私から視線を移動させず、身動きせず、その問いに答える。
「馬鹿ね。自分で自分を殺すなんて鬼畜でしょ? それに世の中にはね、死ぬ事より辛い事もあるのよ」