私は異世界の魔法使い?!
私、そんな酷い格好してるの?
でもそんな事気にしてる場合じゃない。
「ブルーベル、今すぐカイトを眠らせないと苗木が燃やされてしまうわよ。いいのっ!?」
「うーん、おねーちゃんは僕ちんをいいように使おうとしてるね。僕ちん、すっごく癪だなぁ」
「何言ってんのよ! それどころじゃないでしょーが」
すると突然、足元に何やら草が当たる。
それもニョキニョキと成長しているようだ。
「何を始めようというの。邪魔するとお前も消すわよ」
「惜しい惜しい。でも僕ちんはそう簡単に掴まんないよー」
私のそばでブルーベルの声が右へ左へブンブン移動する。
「僕ちんを捕まえれるのはこの中ではそこにいるおにーちゃんくらいかな? けど、今はほとんどもぬけの殻みたいだからそれも無理だねー」
チリリン、チリリンと鈴の音はどんどん大きくなり、やがて。
「カイト!」
miaが叫んだ。
どさりと何かが倒れる音が聞こえ、そのそばに駆け寄るmiaの声。
その声でカイトの位置が大体掴めた。
あとはーー。
ーーお願い……私をカイトの元へ……。
それは願ったのが先か、叫んだのが先か。
もうどちらかわからないけれど、気がつけば私の意識は闇の中へと引き込まれた後だった。