マリー

 それから毎日、知美は学校に行き、授業を受けるだけの日々だった。

 彼らを気にするのはやめにした。無駄なことは分かっていたからだ。

 そう思ったのはマリーが言っていた可哀想な人間の話に同調したためだ。


 優子を含めて人の文句を言う人間はそんな星の下に生まれ育ったのだろう。そんな気持ちでいると不思議と苛立ちも、悲しみも覚えることはなかった。

 だが、それでも将や伊代に対しては申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 彼らが気を遣い何度も話しかけてくれるし、休みの日には一緒に出かけようとも言ってくれた。知美は出来る限り彼らの誘いに応じるが、マリーのことは誰にも話をしないことにした。

 マリーと話をすると嫌なことなんてすぐに忘れられる。彼女がずっと友達でいてくれるならそれでよかった。
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