キミが泣くまで、そばにいる


「俺、わりと最初から、知紗のこと好きだったよ」

 静まり返った廊下を進みながら、微笑み王子は信じられないことを言う。

「人目も気にせず泣いたり、怒ったり、喜んだりしてるから、すぐ目が離せなくなって」

 アカツキの繊細な指を右手に感じながら、私はレミの言葉を思い出した。

 ――ちーちゃんて、あけっぴろげなんだよね。

「どうせ私は、すぐ顔に出るし、単純だし……」

「はは。でも俺は……そういうむき出しの感情に、飢えてたのかもしれない」

 王子はぽつりとつぶやいた。

 想像してみる。

 自分で自分に『笑うこと』を課してきたアカツキは、それ以外の感情を出すことができなかった。

 そんなとき、クラスでバカみたいに全身で感情表現をしてる女子が目に入った。


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