駅前ベーカリー
「理真さんの『好き』が貰えて、甘えてもらえて、こんなに近くにいることができて…これ以上何も要らない。」
「凛玖くん、今日楽しかった?」
「楽しかったし、今も楽しい。すごく。」
「まだ、ワガママ言っても…いい?」
「いいよ。」
「…私が眠るまで、手を握ってて?」
「それ、ワガママじゃなくてご褒美。」

 少しだけ頬を染めて微笑む凛玖が傍にいてくれる。それが理真の心をこれ以上ないというくらいに落ち着かせる。

「凛玖くん。」
「なーに?」
「凛玖くんのどこが好きかまだ言ってもいい?」
「俺も熱出していいなら。」
「…熱出していいよ。今度は私が看病するから。」

(理真さん、続ける気か…。でも理性が壊れたらそこまで、かな。)

「凛玖くんの手が、好き。あったかくて優しくて凛玖くんが傍にいるって実感できるから。」
「…ありがと。俺、理真さんの指が好き。綺麗だから。」
「前も言ってたね。あとは…あ、凛玖くんの胸が好き。いつも優しく抱き留めてくれるから。」
「俺も理真さんの胸が好き。柔らかくて甘いから。」
「っ…突然の下ネタ!」
「理性壊さないためだから許して。」
「許すけど。」
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