性別「少年」属性「乙女」

目覚め

何かが壊れるような、ものすごい音がして、ボクは目を開けた。

夢、見てたのかな。


「ちくしょ……っ!」


陸さんの、声。
夢じゃなかったんだ。

声のするほうに顔を向けて、ボクは息を飲んだ。

陸さんが、椅子を振り上げて、窓を割ろうとしてる。


「陸さんっ、やめてっ」


わけがわからなくて、ボクは必死に、声を絞り出した。
身体を少し起こしただけなのに、ズキンと、痛みが走る。


信じられないものでも見るように、陸さんが、ボクを見てる。


「マコ…ト……」

「陸さん、どうしたの?どうして……」

ああもう。
また、咳が止まらない。

でも今度は、血が出てこないから、まだいいけど。
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