性別「少年」属性「乙女」
「涼しくて、気持ちいいね。陸さん」

ボクが言うと。
陸さんは、ボクの額に手をあてた。

「やっぱり、まだ熱があるな」

そうして。

「陸さん?」

陸さんが、ボクとおでこを合わせた。
目の前に陸さんの顔があって、ボクはドキドキして。
おもわず、ぎゅっ、と目を閉じてしまった。

陸さんの息が、口元にかかる。

「けっこう、熱いかな。氷枕、換えてくる。額も、タオルで冷やそうか」

なのに。

陸さんは、あっさりとボクから離れた。

淋しいって、思っちゃう方が、ダメなんだよね。
陸さんが、ボクのこと、弟か友達でいるって決めてくれたのに。

ボクが、キスしてほしい、なんて思っちゃ、ダメなんだ。

「……マコト?」

ボクの頭を軽く持ち上げて、温くなった氷枕をはずしてくれた陸さんが、ちょっと心配そうに、ボクを見る。

「どうした?どこか、つらい?」
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