性別「少年」属性「乙女」
「……マコトさ、絶対あいつのこと、まともに見えてないだろ」
「なんで?」
「正反対じゃんか、あいつ、キレやすいし、おまえにひどいこと言うし」
「そんなことないよ。陸さん、ずっと優しかったよ」

言い返したボクを見て、吉田が、ため息をつく。

「優しいやつが、おまえや、美知子にまでひどいことするかよ」
「あ……ごめんね、みっちゃん」

そうだった。
みっちゃん、陸さんにキスされて、傷ついたよね。

「なんで、まこちゃんが、謝るの?」
「えっと……でもたぶん、僕にも原因ある、と思うし」
「マコトは何にも悪くないだろ」

呆れたような、吉田。
みっちゃんは、笑ってる。
ちょっと大人びた、笑み。

「うん。まこちゃんは、悪くないよ。私もちょっと、びっくりして泣いちゃったけど。……でも、たぶん私の方が、陸さんのこと、傷つけちゃったんだと、思う」

何か、あったのかな。
そう、だよね。
陸さん、そんなに女の子にひどいことする人じゃ、ないもん。

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