性別「少年」属性「乙女」
親に関わるものから、遠ざかりたい。



どうしてもやりたいことが、あるわけじゃない。



だけど。



「祐介さんが、あの人に似なくて、本当によかったわ」



口癖のように、母親が繰り返す言葉。



俺も、そう思うよ。


俺と母親を裏切って、他に女と子供まで作ったあげく、バレたらその女と子供を捨てた、俺の父親。


あの頃、俺はまだ小学生だったけど、両親は修羅場を、まるで俺に隠そうとしなかった。



母親の前で土下座していた父親は、結局離婚され、それでも陸コーポレーション系列の会社で、働いている。



小さい頃は、月に一度、父親と一日過ごした。



< 83 / 525 >

この作品をシェア

pagetop