幻想
「うん。ここって何号車だっけ?」
 青葉が鳩葉の方を向きながら口周りをティシュで拭い訊いた。
 彼女は特急券を確認した。
「五号車ね」
 鳩葉は言った。
 沈黙。
 すると青葉がホームの方を指差し、なにか数えている。周囲の乗客も物珍しそうな表情をしていた。
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