幻想
 が、と梨花は意味もなく納得した。
「み、みず鉄砲下げてもらえるかな、梨花ちゃん。おばさんはおばさんとして認知しているから」
 ああ、いたのか、と梨花は思考のプロセスを辿っているうちに目の前の絹枝の存在を消滅していた。
「じゃあ、マモルの意志を尊重するのね?」
「それはわからないわ」
 すかさず梨花は絹枝に水鉄砲を押し付け、「わ、わかったわよ」と降参させる。
 乗客がざわついている。
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