Tea Time

明るい蛍光灯の下で見る彼女は、いつもと同じように、にこやかで、昨夜の儚げな雰囲気は全く姿を消していた。

あの壊れそうな、どこか危うげな表情は、ほの暗い灯りのせいだったのかもしれないと、思い直し始めていた。

しかし、一度気づいてしまった気持ちというものは、なかなか離れてはくれないものである。

これまで、何ともなかった彼女の仕草の一々に見とれている自分がいた。
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