おとななこども
「じゃ、またくるねー♪」

お弁当箱を片づけると、あたしは数学準備室を後にした。

「2度とくんなよー」

トーゴちゃんは返した。

昔から美人だわ、無自覚天然だわ、勘が強いわ、ツンデレでわ…トーゴちゃん全然変わってないって感じ。

変わったところはトーゴちゃんに彼女ができたって言うこと。

「そこはやってくれたなって感じだ」

そう呟いたあたしに、
「あなたの方が充分にやってくれていると思います」

聞き覚えのある声に視線を向けると、
「あ、会長」

会長だった。

あれ?

何か怒ってる感じが…?

「教育実習生とずいぶん仲よさそうじゃないですか?」

会長が言った。
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