夜桜

「僕は、むしろうれしいくらいだよ」


「え?」


「二人でゆっくり話せるから」


「そうよね、いっつも話そうとしたら、誰かがいたりするもんね」


僕の複雑な気持ちなど、全く気づいていないかのように、彼女は言う。
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