夜桜

僕はほとんど無意識に、彼女を背中から抱きしめていた。


「え?」


慌てて、腕の中で身じろぐ彼女。


「こうしてるとあったかいでしょ」


彼女を不審がらせないように、さり気なく振舞う。
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