先生の「特別」にしてくださいっ!
次の日。

昼休み後、5限の日本史の授業の前。

前の席の雪乃が緊張しているのがわかる。

「ゆーきーのー!」

何となく名前を読んでみた。

「何?」

「呼んでみただけー」

「はあ?
付き合いたてのカップルかよ。」

雪乃が笑った。

大丈夫。

谷中先生は
きっとなんとかしてくれるはずだ。

…私、気が付いたら随分、
先生を信用するようになってたんだな。

自分でもびっくりだ。



キーンコーンカーンコーン…


チャイムが鳴った。

もうすぐ先生がくるはずだ。


ガラガラガラ…


来た。

前のドアを開けて、
先生が教室の中に入ってきた。
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